学長挨拶
ゆとりを生む戦略

地球規模での課題の克服や、豊かで活力のある社会の実現に向けて、工学のミッションは技術の「改良」から、幸せを創造する概念をも視野に入れた「革新」へと変わりつつあります。
ダイバーシティの推進、すなわち、性別、年齢、母語、文化、宗教など様々に異なる立場から生じる多様な価値観や視点を最大限に活かす努力が、新たな価値を生み出し、持続可能な社会の原動力となるという認識が国際社会で共有されており、工学においても、技術の革新を加速するため、多様な人材の視点と価値観をダイナミックに活用することが求められています。
名古屋工業大学では、男女共同参画社会基本法の施行を受けて、2009年1月に「男女共同参画推進室」を設置し、多様性推進を本格的に始動致しました。その後、文部科学省科学技術人材育成費補助事業「女性研究者研究活動支援事業(一般型)」(2014年度)、更には多様な人材活用〈ダイバーシティ・アンド・インクルージョン〉の実現をめざした「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(特色型)」(2017年度)に相次いで採択され、女性研究者の研究環境の加速度的な整備に加え、2017年度に設置した「ダイバーシティ推進センター」をプラットフォームとして、多様性を主題とする中京地域産業界との連携が急速に進展しています。
人を大切に、心を重んじる工学の実践を目指す名古屋工業大において、〈ダイバーシティ・アンド・インクルージョン〉の推進は、基本姿勢のひとつになっています。
名古屋工業大学長 木下 隆利