受賞者インタビュー
「第7回資生堂女性研究者サイエンスグラント」本学初の受賞! 宮川鈴衣奈助教
今回、電気電子工学科の宮川鈴衣奈助教が第7回資生堂女性研究者サイエンスグラントを受賞されました。名古屋工業大学の女性研究者の活躍は、ダイバーシティ推進センターにとっても、とてもうれしいニュースです。名工大で学ぶ女子学生にとっても、将来の選択肢を考える上で、一つのモデルとなる快挙です。また、これから名工大への進学を考えられる女子生徒の皆さんにも、一つの目標となることでしょう。
ダイバーシティ推進センターでは、宮川鈴衣奈先生にさっそくインタビューをさせていただきました。
インタビュアー:ダイバーシティ推進センター 飯田浩美
写真撮影:博士前期課程 金枡豪志
宮川鈴衣奈助教 インタビュー
宮川先生おめでとうございます。
いくつかの質問をさせて頂きたいと思います。
Q1:理系に興味をもたれたきっかけは、何でしょうか?
A1:中学、高校での理科実験ですね。教科書に載っている理論を、実際に自分の実験で確認できたことがとてもおもしろいと思えたことがきっかけかと思います。
Q2:どんなおもしろさですか?
A2:式で表現されていることが、実際に目の前で現象として起きることを確認できたところです。
Q3:現在の研究の面白さと苦労されていることは?
A3:理論に基づいて、自分の中で立てた仮説が、実験的に成り立つことを明らかにできた時に研究の醍醐味を感じます。また、想定したことと違った場合にも、なぜそうなるのかが解明できたときには、苦労した分、喜びはより大きく感じます。
Q4:宮川先生にとってのワークライフバランスとは?
A4:今は独身で、他に優先しなければならないことがないため、これまでは深く考えたことはありませんでした。結婚や子育てが今の生活に加わったときに、研究や教育で諦めたり妥協したりしなくてもいいような準備期間なのかもしれません。
今は研究に励むことで、生涯研究者として仕事を続けられるような基盤づくりをしているのだと思います。
Q5:生活のオン・オフを切り換えることについては、日頃どうされていますか?
A5:違う分野の研究者や、研究とは関係ない分野の人と話をすることもあり、刺激と癒しを感じています。ときには研究から離れた時間を持つことが、新たな気付きを得るきっかけになったりもします。
Q6:これから研究職を目指している方々に一言お願いします。
A6:周りを見回して、自分の好きな研究分野に女性の人数が少ないからというだけで、構えてしまったり、諦めてしまうのではなく、自分がやりたいことや興味を惹かれることがあれば、そこに向かって進んで欲しいですね。
研究したいという思いがあれば、壁があってもその先を目指してもらいたい。自分の研究が何の為に役にたつのか、社会にどんなよい影響を及ぼすのかを常に考え続けることが力になると思います。
Q7:男女共同参画社会が叫ばれてすでに久しいですが、女性研究者として現状をどのように感じておられますか?一言お願いします。
A7:制度は整いつつあるので、これからは現場の理解が必要だと思います。女性と男性との間に、まだ無意識の壁を感じるところがあります。女性は、ある程度の勇気を持って女性の少ない環境に飛び込むためか、積極的になりやすく、男性は、かつての環境からの変化に戸惑い、必要以上に関わらないでおこうという億劫さがあるように感じます。
でもこの壁は、女性研究者が増えることで、経験的に徐々に解消していくと信じています。
Q8:女性が研究職を続けるために、今後本学でどのようなサポートが必要と思われますか?
A8:私は学生時代から周りの方々に恵まれて、この環境で研究を続けたいと思えました。そういった意味でも、今は制度より環境づくりが大切だと思います。男女の違いをダイバーシティとして有効に活用できる環境のために、意識改革が必要だと感じます。
Q9:最後に、一言お願いします。
A9:工学部での研究というのは、ものづくりだけで終わってはいけない。その先にある社会のことをちゃんと見据えて研究することが大切だと思っています。企業での研究は、社会と直接繋がっていると感じることが多いと思いますが、大学での研究においても、社会へ自分の研究をどう繋げていくのかが重要で、そこにこそやりがいがあると感じています。
今回賞を頂けたことは私にとって大きな励みになりましたが、これからがスタートだと思っています。
ありがとうございました。