【開催日:12月3日(火)】女性技術者リーダー養成塾「卒塾生フォローアップ講座」を開催しました。
2025/01/07掲載
本養成塾は製造業に勤めている女性技術者のための講座で、女性技術者がリーダーとして長く活躍し続けるために必要なスキルを学び、長期的視点でキャリアをデザインする機会を提供することを目的としています。2015年から毎年継続して開催し、今年第10期を迎えたことを機に、第1期(2015年)から第8期(2022年)の卒塾生を対象とした「卒塾生フォローアップ講座」を開催しました。
2024年12月3日に講座が行われ、7社から11名の女性技術者が出席しました。
「卒塾生フォローアップ講座」では、二つのセミナーを開催しました。名古屋工業大学大学院工学研究科 伊藤洋介准教授(日本弁理士会知的財産経営センター 担当副センター長) による「ものづくりにおける知財活用の意義」では、特許法の成立背景、国や産業界にとっての特許の意義、知的財産権の基本的な保護権益や種類について学んだ後、二種類のマーカーを観察して、商品の進歩性、新規性を説明する発明発掘のためのトレーニングを行いました。受講生は、技術者と消費者の視点を行き来しながら、知的財産権の戦略的側面と、社会貢献的側面について理解を深めていきました。
名古屋工業大学大学院 工学研究科 准教授 伊藤 洋介氏
(日本弁理士会 知的財産経営センター担当副センター長)
講座後には、「特許出願については日頃の仕事でも行っているが、意匠や商標は別担当で詳しく知る機会がなかったので学びになった。また、自社の発明の保護といった観点だけで見ていたが社会的な意義なども学ぶことができてよかった」、「新規性と進歩性の組み合わせで考えてるワークショップも、特許の出願の訓練にはとてもすばらしい方法で、ぜひ会社に持ち帰って、特許教育で使用したいと考えました。先生の実体験のお話もとても興味深く、設計事項を阻害する特許も価値があるということを知ることができました」などの声が受講生から寄せられました。
伊藤准教授による講義
続いて、本田技研工業株式会社 取締役 我妻三佳氏のセミナーは2部形式で行われました。前半のワークショップでは、卒塾後のキャリアの振り返りとして、卒塾式で行った行動宣言の後の自身の行動の変化と更に成長するための展望について、グループで意見交換を行いました。後半には「生成AIブーム〜リーダーはどう変わるか〜」と題して、生成AIの歴史と現在の利活用動向と、生成AIが「働き方」にもたらす影響とビジネスパーソンに求められるスキルについての講義がありました。講義を通し、受講生はリーダーとして、環境の変化に素早く対応する力をつけ、柔軟な思考でチームワークを構築する心構えを学びました。
本田技研株式会社 取締役 我妻 三佳氏
(名古屋工業大学 客員教授)我妻氏による講義
受講生からは、「自社には女性リーダーが少なく中々モチベーションがあがらない面もあったが、今回の受講者の中には多くリーダーが存在しておりとても刺激を受けることができた。また、生成AIについての利用についてちょうど考える時期にあり、生成AIを通じて他社がどのようなことを期待しているのかを知ることができたのもよかった」、「女性だからという理由で困難に直面する場面はあるけれど、負けないでほしい、という先生の言葉が特に印象に残りました。育休や産休を経て復帰した私にとって、先生の言葉は大変励みになりました」、「我妻先生には私たちの先を行くロールモデルとして、たくさんの励ましのお言葉をいただきました。また、9年前の受講からの自分の業務や成長を振り返り、当時の予想とは違っていてもチャレンジを繰り返してきたことを実感し、これから先に歩んでいくための貴重な機会になりました」との感想が寄せられました。