国立大学法人名古屋工業大学 ダイバーシティ推進センター

イベントリポート

【開催日:9月27日(金)】第10期女性技術者リーダー養成塾(第3回)を開催しました。

2024/10/08掲載

    第3回は、知財活用、マーケティング、リーダーシップをテーマとする、三つの講義が行われました。

  • 午前中に行われた名古屋工業大学大学院工学研究科 伊藤洋介准教授(日本弁理士会知的財産経営センター 担当副センター長) による「ものづくりにおける知財活用の意義」では、特許法の成立背景、国や産業界にとっての特許の意義、知的財産権の基本的な保護権益や種類について学んだ後、二種類のマーカーを観察して、商品の進歩性、新規性を説明する発明発掘のためのトレーニングを行いました。受講生は、技術者と消費者の視点を行き来しながら、知的財産権の戦略的側面と、社会貢献的側面について理解を深めていきました。

  • 日本弁理士会 知的財産経営センター 担当副センター長
    (名古屋工業大学大学院 工学研究科 准教授)伊藤 洋介氏

    伊藤准教授による講義

    講座後には、「特許権、意匠、商標を活⽤し出願することの意味、効果を知ることができました。特許権とは⾃分の発明品・アイデアを守り他者に利益を取られないようにするためだけのものかと思っていましたが、登録し管理されることで特効薬など広めたいものを正しく広めることに役⽴つものだということがわかりました」、「知財は技術を保護するだけでなく、技術の発展にも繋がることを学びとても勉強になりました。他社のクリアランスから新しい技術の発展に繋げれるように考えて特許を⾒ていこうと思いました」などの声が受講生から寄せられました。

  • 午後からは二つの講義がありました。
    愛知東邦大学経営学部 安藤真澄教授による講義「製品開発にいかすマーケティング手法」では、マーケティングの定義や基本的な考え方から、市場ニーズ、顧客、自社と競合を分析する手法、商品を効果的に市場に出すためのプロモーション戦略まで、マーケティングのいろはを幅広く学びました。

  • 愛知東邦大学 安藤 真澄教授

    受講生からは、「今までずっと⽣産現場の仕事しかしてこなかったので、今回視点を変えた学びを得られたと思います。⼈の意⾒や⾏動から得るヒントも沢⼭あるなかで、どんな⼩さな気づきでも⼤切にしていこうと思いました」、「⾃分の会社の強み。競合他社にはない強みってなんだろう?と考える時間になりました。商品開発する部署ではないので、お客様相⼿のマーケティングをやることはないが、納品する客先については、競合に勝てる部分。客先が何を望んでいるのかをしっかりと⾒極めながら、仕事していきたいと思いました」との感想が寄せられました。

  • 続いて、トヨタ自動車株式会社パワートレーン製品企画部 主査(名古屋工業大学 特任准教授)落合清恵氏が「ものづくり現場における私らしいリーダーシップスタイル」と題してワークショップを行いました。ものづくりの仕事特有の難しさや喜び、女性特有の悩みなどについてグループで話し合ったり、落合氏の技術者・リーダーとしての豊富な経験に基づいた複数のケーススタディからグループディスカッションを行ったりと、実践的なワークを行いました。

  • トヨタ自動車株式会社 パワートレーン製品企画部 主査
    (名古屋工業大学 特任准教授)落合 清恵氏

    受講者からは「上司と部下、両⽅の⽴場において⼼掛けるべきことの話し合いだったことと、同じ班の2名の⽅の体験を交えて意⾒が聞けたのが良かったです。育休中では業務をこなすのに⾃分で⼯夫すべきということと、周りの雰囲気やコミュニケーションが⼤切だということを実感しました」、「⼊社以来、周囲に産休、育休を取得している⼥性がおらず、これまで状況のイメージが湧きませんでしたが、グループディスカッションで、産休、育休経験のある⽅から当時の悩みや働き⽅について伺うことができ、初めての情報に触れ、本研修に参加した良かったと感じました」との感想が寄せられました。