【開催日:9月30日(火)】第11期女性技術者リーダー養成塾(第2回)を開催しました。
2025/10/24掲載
第2回講座では、名古屋工業大学の教員による「プロジェクト・マネジメント」「コミュニケーションスキル」「ものづくりの安全性」をテーマにした講義が行われました。
午前は、北村憲彦客員教授・名誉教授による講義「プロジェクト・マネジメント~新しい価値を創造するために~」が行われました。北村先生は、自身が携わった自動車用大型円板付き回転軸(塑性接合)の開発事例を紹介し、チームで新しい価値を生み出すために必要な視点や考え方について説明されました。
講義の終盤では、「巨大な石像を運搬するときの摩擦を減らす方法」についてグループごとにアイデアを出し合い、活発なディスカッションが行われました。
名古屋工業大学 北村憲彦客員教授・名誉教授
ディスカッションの様子
受講生からは、「目的に必要な部分を強化すること、常識的目標にとらわれないこと、シンプルな原理を重視することなど、多くの気づきがあった」、「ゴールを見据えた目標を定め、必要以上の制限を設けずにグループワークを実施することで自由な発想が生まれやすくなるということはこれまで意識できていなかったため、今後の活動に役立てていきたいです」といった意欲的な感想が寄せられました。
午後からは2つの講義がありました。
まず、名古屋工業大学大学院 鷲見克典教授が「コミュニケーションの基本スキルを考える」と題し、対人コミュニケーションにおける重要な視点について講義を行いました。 情報の行き違いを防ぐ手法「クローズドループ・コミュニケーション(復唱によって理解を確認する方法)」が紹介され、実際の事故事例をもとにその有効性と必要性が解説されました。
さらに、日常生活で起こりがちな葛藤の場面を題材にグループワークを行い、双方向のやりとりにおける理解の深め方を実践的に学びました。
名古屋工業大学大学院 鷲見克典教授
受講生からは「双方向の対人コミュニケーション・モデルを利用し、クローズドループ・コミュニケーションができているのか意識することで、上手く伝達できなかった時に何が問題なのかを探る参考になると思いました」、「送り手と受け手の入出力の重要性を改めて実感し、些細なことでも相手に確認したり、情報を共有したりすることを改めて心掛けようと思いました」といった感想が寄せられました。
次に行われた、名古屋工業大学大学院 神田幸治准教授による講義「『ポカミス』をテーマにものづくりの安全を考える」では、ものづくりの現場におけるヒューマンエラーに焦点を当て、単なる「うっかりミス」にとどまらない、錯覚や思い込みなどから発生するエラーについて学びました。
また、ミスの背景にある要因や発生の仕組みを体系的に整理して対策する「4STEP/M法」が紹介され、講義の終盤ではその手法を活用して殺虫剤誤飲事故の対策を検討するグループワークが行われました。
名古屋工業大学大学院 神田幸治准教授
受講生からは、「ヒューマンエラーには単純なうっかりミスだけでなく、人間が優秀が故の錯覚などによるエラーもあることを学びました。工場などではうっかりによって重大な災害につながってしまう場合もあるため、今回学んだ4STEP/M法を使って対策していこうと思いました」、「ヒューマンエラーが起きる前に予測して対策を立てることの重要性や、実際に起きてしまった後にどういった観点で対策を立てるべきかを学ぶことができました」といった学びを実践に活かそうとする前向きな声が寄せられました。
第3回は、10月15日(水)に開催されます。
